第29回日本発汗学会総会の「会頭挨拶」ページです。会期:令和3年9月4日(土) 場所:オンライン開催(ライブ配信) 会頭:秀 道広(広島大学大学院医系科学研究科皮膚科学 教授) 事務局長:	高萩俊輔(広島大学大学院医系科学研究科皮膚科学)
第29回日本発汗学会総会 テーマ:発汗から読み解く皮膚の病態生理~Sense the Sweat~
会 期:令和3年9月4日(土)
場 所:オンライン開催(ライブ配信)
会 頭:秀 道広(広島大学病院特別顧問/広島市民病院病院長)
事務局長:高萩俊輔(広島大学大学院医系科学研究科皮膚科学)
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会頭挨拶

第29回日本発汗学会総会
会頭 秀 道広
広島大学病院特別顧問/広島市民病院病院長

このたび、第29回日本発汗学会総会の会頭を担当することになりました。会期は令和3年9月4日(土)、会場は完全web形式で開催いたします。オンライン形式ではありますが、全国から参加者の皆さまをお迎えできることを光栄に存じます。

学会のテーマは、「発汗から読み解く皮膚の病態生理~Sense the Sweat~」です。汗は、汗腺で産生、分泌されますが、汗腺は、それ単独で機能する器官ではなく、皮膚の再生やバリア機能では毛包、脂腺などの他の皮膚付属器と協調し、体温調整では血管や神経と連携して生体の恒常性維持します。また、汗は単に皮膚の表面に排出されるだけでなく、その役割は皮溝と皮丘、安静時と体温上昇時でも異なります。本学会では、発汗に留まらず、汗腺と関わりの深い脂腺や神経の役割にも目を向けることで、発汗の意味と発汗異常の病態生理に迫りたいと考えます。

招待講演では、しばしば汗とともに分泌されて皮膚の保湿とバリアに関与する脂線の機能と異常について、東京薬科大学薬学部の佐藤隆先生に皮膚の保湿調節因子や光との関係も含めてご講演いただきます。シンポジウムは、「発汗障害からみたアトピー性皮膚炎と感覚受容器としての皮膚」をテーマに、生理学研究所細胞生理研究部門の富永真琴先生、および九州大学大学院薬学研究院の津田誠先生に、TRP受容体などの皮膚の温痛覚から痒みの知覚について、最新の知見を解題いただく予定です。また、汗の分泌状態は、現在ミノール法が基本的評価法として用いられていますが、この方法は感度、解像度が低い上にどこでも簡単には実施できません。そこで川崎医科大学皮膚科の青山裕美先生には、どこでも簡単にかつ定量的に発汗を評価する検査法としての可能性を含むImpression Mold法について、最近の自動読み取り技術の開発状況を紹介いただきます。その他、皆さんからの多くの一般演題のご発表を期待しています。

9月はまだ、COVID-19ワクチンの効果がどこまで現れるか予断を許さないという情況を鑑み、皆さんと直接お目見えできないことは残念ですが、総会事務局一同、既にすっかり社会に定着したとも言えるWeb会議の技術を最大限に活用して精一杯の準備をさせていただき、多くの皆さんとお会いできることを楽しみしております。

令和3(2021)年3月