第33回日本健康教育学会学術大会
第33回日本健康教育学会学術大会
パートナーシップを束ねるヘルスプロモーション教育の挑戦
会 期
2025年7月5日(土)・6日(日)
会 場
日本女子体育大学 烏山キャンパス
(東京都世田谷区北烏山8-19-1)
大会長
助友 裕子(日本女子体育大学 教授)
実行委員長
河村 洋子(産業医科大学 教授)
事務局長
森川 洋(帝京平成大学 教授)
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ご挨拶

2024年9月
第33回日本健康教育学会学術大会
大会長 
助友 裕子
(日本女子体育大学 教授)

この度、第33回日本健康教育学会学術大会を2025年7月5日(土)〜6日(日)に日本女子体育大学烏山キャンパス(東京都世田谷区)において開催することとなりました。本大会に関心をお寄せくださいました全ての皆様に、大会長としてご挨拶を申し上げます。

近年、人々を取り巻く現代的諸課題は多様化しており、様々な社会的決定要因が健康に影響を与えることが分かってきました。人々がこれらの要因をコントロールし改善することができるようにするためのヘルスプロモーション活動は、個々人の健康はもちろんのこと、持続可能な社会を作り上げるためにも益々重要なものとなっています。

健康教育と社会環境づくりの両輪による公正な社会の実現を目指したヘルスプロモーションは、1986年、オタワ憲章で提唱されました。2005年に再提唱されたバンコク憲章においては、健康の社会的決定要因へのアプローチが強調されました。この間、様々なセッティングで科学的根拠が蓄積されるとともに、環境戦略としての理論やモデルも整理されてきました。

一方、健康教育を銘打った本学会の学術研究の動向に着目すると、健康のための社会環境づくりの報告が増加しています。換言すれば、健康教育の大きな現代的役割のひとつがヘルスプロモーションの担い手教育にあるといえます。このような本学会のパラダイムシフトにさらなる議論を深めることを企図して、本学術大会テーマを「パートナーシップを束ねるヘルスプロモーション教育の挑戦」といたしました。

2019年から2020年にかけて改訂された学習指導要領では、高等学校保健体育科(科目保健)の内容構成が大きく変わり、高校2年生の保健授業では、9年間の保健教育の集大成として「健康を支える環境づくり」が位置付けられました。これにより、健康の枠を超えたあらゆる分野の担い手になるすべての子どもたちが、ヘルスプロモーションの担い手になろうとしています。

会場となる日本女子体育大学は、東京都世田谷区の閑静な住宅街に位置しながら、住みたい街上位にランクインする吉祥寺(東京都武蔵野市)や大都市新宿へのアクセスが良い立地となっております。隣接する東京都三鷹市には、都市農業が点在するエリアから三鷹の森ジブリ美術館や太宰治旧居跡などの文化財が点在するエリアもございます。このように恵まれた立地に位置する日本女子体育大学は、およそ百年前に、鍛錬のための男子体育から健康づくりのための女子体育の重要性に一念発起した二階堂トクヨが設立した二階堂体操塾が、その前身です。本学術大会は、その百年を記念して建立されたばかりの百周年記念館で、参加者の皆様をお迎えいたします。

本学術大会を通じて、健康教育学がヘルスプロモーション教育を備えうる可能性ある学問として発展するための議論をする機会になれば幸いです。そこに加わってくださる多くの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。