日本肺サーファクタント・界面医学会第61回学術研究会 日本肺サーファクタント・界面医学会第61回学術研究会
会 期
令和7年11月15日(土)
会 場
千葉大学医学部附属病院3階 ガーネットホール
会 長
鈴木 拓児
(千葉大学大学院医学研究院 呼吸器内科学)

会長挨拶

鈴木 拓児
日本肺サーファクタント・界面医学会第61回学術研究会 会長
千葉大学大学院医学研究院 呼吸器内科学
鈴木 拓児

日本肺サーファクタント・界面医学会第61回学術研究会開催にあたって

このたび、2025年11月15日、千葉大学附属病院ガーネットホールにて「日本肺サーファクタント・界面医学会」を開催する運びとなりました。本会は1969年に「肺表面活性研究懇話会」として発足し、1975年から「日本界面医学会」として学会へ発展し、現在の「日本肺サーファクタント・界面医学会」へと歴史を重ねてまいりました。

さて、本会の名称にも含まれている「界面」は「気体、液体、固体のうちの二つの相が接するとき、相と相の間にできる境界面」と定義されます。この世の中は様々な「相」によって構成され、「界面」はありとあるところに存在し、実は界面科学・界面医学は身近な存在です。肺は上皮細胞、内皮細胞などに加えてマクロファージやリンパ球といった免疫細胞など多くの細胞をかかえ、これらの細胞自体も「相」を形成しています。とくに肺サーファクタントを産生する肺Ⅱ型上皮細胞、それを処理するマクロファージといった細胞間の相は臓器の恒常性維持と疾患病態に重要な働きをしています。

本会60年余の歴史において、わが国からは肺サーファクタントに関連した多くの世界的な業績が生み出されてまいりました。人工肺サーファクタント補充療法、肺サーファクタント蛋白(SP-A、SP-D)の研究・測定と実用化、肺サーファクタントの生体防御を含めた多彩な機能の研究、抗GM-CSF自己抗体の発見に伴う自己免疫性肺胞蛋白症の概念の誕生と診断など枚挙にいとまがありません。さらに4半世紀を経て2024年、ついに自己免疫性肺胞蛋白症に対するGM-CSF吸入療法が保険収載され臨床の場に誕生するという「新たな相展開」がみられております。

基礎医学から臨床医学まで、広い領域の画期的な研究を世界に発信してきた本会、第91回は「肺界面医学と免疫・炎症の新たな相展開」をテーマとし、多くの領域から集まった研究者とともに意義ある意見交換の場としてまいります。

多くの皆さまのご参加をお待ちしています。