日 時
2025年8月30日(土)
会 場
松山市総合コミュニティセンター
会 長
佐藤 格夫
(愛媛大学大学院医学系研究科 救急医学講座 教授)

会長挨拶

佐藤 格夫
日本栄養治療学会 第17回中国四国支部学術集会 会長
愛媛大学大学院医学系研究科 救急医学講座 教授
佐藤 格夫

このたび、日本栄養治療学会第17回中国四国支部学術集会を、2025年8月30日(土)に愛媛県松山市の松山市総合コミュニティセンターにて開催いたします。2020年の支部組織再編成により、「中国四国支部会」として新体制での支部学術集会が始まりましたが、COVID-19感染症の影響でしばらくはWEB開催が続きました。第16回学術集会では中国四国支部学術集会として初めて集合形式で開催され、対面による交流の意義を再認識する機会となりました。第17回も引き続き集合形式での開催を予定しております。

今回の学術集会のテーマは「栄養療法の底力:未来を切り拓く最前線の挑戦」とさせていただきました。

愛媛県は「栄養学の父」と称される佐伯矩(さいきただす、1886-1959)の出身地です。佐伯は1914年に世界初の栄養研究所を東京に創設しました。その後、1920年には内務省に栄養研究所が設立され、佐伯が初代所長に就任しました。1923年の関東大震災では、国立栄養研究所が総動員され、被災者の救助活動に従事しました。各所で食品配布や炊事用水の運搬に加え、佐伯の指導のもと、被災した小学校では震災直後から給食が開始されましたが、人材不足が課題となっていました。翌年、佐伯は私費で世界初の栄養学校を設立し、卒業生たちは後に「栄養士」と称されるようになりました。

2025年1月には、南海トラフ巨大地震の被害想定が見直され、今後30年以内の発生確率が従来の「70~80%」から「80%程度」に引き上げられました。いつ大震災が起きてもおかしくない状況にあります。こうした中、佐伯矩の故郷である愛媛県にて、災害時の栄養療法をテーマとしたシンポジウムを開催したいと考えております。また、少子高齢化や人口減少といった課題にも直面しています。高齢化が進む中、多職種連携や地域連携をはじめ、さまざまな工夫を凝らしながら対応が進められていることと思います。本学術集会では、各分野における栄養療法の最前線での取り組みや挑戦をご発表いただき、「栄養療法の底力」について皆さまとともに考える機会としたいと思います。

今回の学術集会は集合形式で開催いたします。集合形式の利点は、参加者同士が直接顔を合わせて活発な議論ができることに加え、開催地である愛媛県松山を訪れる機会を持てる点にもあります。遠方からのご参加となる方も多いかと存じますが、ぜひこの機会に松山へお越しください。佐伯矩が幼少期をすごした伊予にある「栄養寺」ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

それでは、皆様からの多数の発表とご参加を心よりお待ち申し上げております。