第20回日本てんかん学会 中国・四国地方会
日 時
2026年2月7日(土)
会 場
広島県医師会館
会 長
石川 暢恒
(県立広島病院小児科・小児腎臓科 主任部長)

ご挨拶

石川 暢恒
第20回日本てんかん学会中国・四国地方会 会長
県立広島病院小児科・小児腎臓科 主任部長
石川 暢恒

このたび、第20回日本てんかん学会中国・四国地方会を、2026年2月7日に広島県医師会館(広島市)にて開催させていただく運びとなりました。歴史と平和の象徴であるこの広島の地に、てんかん医療に携わる皆様をお迎えできることを、心より光栄に存じます。

広島は世界的に知られる平和都市であり、原爆ドームや平和記念資料館などを通じて、戦争と平和、命の尊さを考える場として多くの人々に感銘を与え続けています。また、瀬戸内海の温暖な気候に恵まれ、牡蠣やお好み焼きといった食文化や、厳島神社などの文化遺産にも富んでいます。そうした広島の魅力を感じながら、学術的にも実りある時間を共有できればと願っております。

現在、てんかん診療は大きな転換期を迎えています。新たな抗てんかん発作薬の登場や外科治療の精度向上に加え、神経調節療法(VNS、DBS、RNSなど)の進展により、難治性てんかんへの治療の幅が広がってきています。また、てんかんの原因遺伝子に関する研究も進み、診断と治療方針の個別化が現実のものとなりつつあります。

一方で、依然として課題も多く残されています。高齢化社会における高齢発症てんかんへの対応、精神・認知機能との関連、発作による事故や突然死(SUDEP)への予防、地域格差による診療体制の違い、そして社会的偏見の解消といった問題は、我々が一丸となって取り組むべき重要なテーマです。

てんかん診療は多くの診療科やスタッフが関わる包括的なアプローチが必要です。本地方会でも診療科を横断した多面的な議論がなされることを期待し、てんかんに関わる幅広い視点での情報共有と交流に繋がることを願っています。

2月という寒さ厳しい時期ではありますが、広島駅から至近距離の広島県医師会館にぜひ足をお運びいただき、有意義な時間をお過ごしいただければ幸いです。多数の皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。