プログラム
石子 智士 先生
奈良井 章人 先生
「ロービジョンケアって難しそう…」と話している眼科仲間にお会いになったことはありませんか?近年、眼科医療のなかでのロービジョンケアのプレゼンスは向上してきていますが、まだ十分に根付いているとは言えません。その理由を考えながら、少しでも多くの眼科仲間にロービジョンケアに関わって欲しいと考えた時に思いついたのがクイック・ロービジョンケアです。もちろん、従来行われていた本格的なロービジョンケアも大切ですが、眼科という診療科の特性を考えた場合、全ての眼科で対応するのはとても困難です。クイック・ロービジョンケアを広めて、「ロービジョンケアって思っていたより難しくなさそう…」と感じてもらえる眼科仲間を増やしていくことは、ロービジョン患者さんにとっても福音につながるはずです。本講演では、クイック・ロービジョンケア旋風があちこちで起こることを期待しながら、始め方を含めてお話させていただきたいと思います。
清⽔ 朋美 先生
(国立障害者リハビリテーションセンター病院 第二診療部長)
奈良井 章人 先生
ECLO:Eye Clinic Liaison Officerとは、視覚障障害者の心理的ケアや福祉、教育、就労支援などにつなげる橋渡しの役割をする、英国での職業です。RNIB(the Royal National Institute of Blind People;英国王立盲人協会)によって誕生しました。私は今年の4月に英国のバーミンガムにECLO取得のために短期留学していました。今回は、ECLOの役割や取得のプロセスを中心にお話しします。役割については、先日の第24回日本ロービジョン学会学術総会での特別公演や数々の文献などでご覧になったかたも多いかと思います。取得のプロセスについては、ECLOコース(Eye Clinic Support Studies Course)の申し込みや講習の内容、日本に帰国後のロンドン大学シティ校への学生登録、試験(症例検討のレポート、オンライン試験)など、いくつもの段階があり非常に難儀いたしました。それでも、英国でECLOを取得したい!という方がいらっしゃるかと思いますので、その一助になればと思います。
辻 拓也 先生
(つじ眼科 院長/久留米大学医学部眼科学講座 非常勤講師)
久留米大学医学部眼科学講座 非常勤講師
奈良井 章人 先生
黄斑部に病変がある場合、その障害の程度によっては中心窩で物を見ることは困難です。そのような患者では物を見る際には中心外の網膜領域を用いて固視し、この領域はあたかも中心窩のように振る舞います。これは、眼底に画像を投影しその画像と眼底の同時観察が可能な走査レーザー検眼鏡により示され偏心視域と名付けられました。ここでは、これまでに明らかになってきた検査条件による固視のふるまいの変化、すなわち偏心視域の特徴について解説したいと思います。臨床的に行われている視機能評価は決められた条件のもとに行われており、必ずしも日常生活のあらゆる場面でその視機能が使えているわけではありません。現在、MP-3(ニデック社製)等の眼底視野計により定量的に固視評価すなわち偏心視域の評価をすることが可能となっています。これらの結果をロービジョンケアに役立てるにあたり、その持つ意味を理解するための話ができればと思っています。
石子 智士 先⽣
(森山病院・眼科部長/旭川医科大学・客員教授)
旭川医科大学眼科学講座客員教授
仲泊 聡 先生